第一種衛生管理者免許試験(令和2年10月公表問題)No.28~34〔労働衛生 (有害業務に係るもの以外のもの)〕

問 28 厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」に基づくメンタルヘルスケアの実施に関する次の記述のうち、適切でないものはどれか。

  1. 心の健康については、客観的な測定方法が十分確立しておらず、また、心の健康問題の発生過程には個人差が大きく、そのプロセスの把握が難しいという特性がある。
  2. 心の健康づくり計画の実施に当たっては、メンタルヘルス不調を早期に発見する「一次予防」、適切な措置を行う「二次予防」及びメンタルヘルス不調となった労働者の職場復帰支援を行う「三次予防」が円滑に行われるようにする必要がある。
  3. 労働者の心の健康は、職場配置、人事異動、職場の組織などの要因によって影響を受けるため、メンタルヘルスケアは、人事労務管理と連携しなければ、適切に進まない場合が多いことに留意する。
  4. 「セルフケア」、「ラインによるケア」、「事業場内産業保健スタッフ等によるケア」及び「事業場外資源によるケア」の四つのケアを継続的かつ計画的に行う。
  5. メンタルヘルスケアを推進するに当たって、労働者の個人情報を主治医等の医療職や家族から取得する際には、あらかじめこれらの情報を取得する目的を労働者に明らかにして承諾を得るとともに、これらの情報は労働者本人から提出を受けることが望ましい。

問 29 メタボリックシンドローム診断基準に関する次の文中の内に入れる(A)から(C)の語句又は数値の組合せとして、正しいものは(1)~(5)のうちどれか。「日本人のメタボリックシンドローム診断基準で、腹部肥満((A)脂肪の蓄積)とされるのは、腹囲が男性では(B)cm以上、女性では(C)cm以上の場合である。」

  1. (A)内臓(B)85(C)90
  2. (A)内臓(B)90(C)85
  3. (B)85(C)90
  4. (A)皮下(B)90(C)85
  5. (A)体(B)95(C)90

問 30 厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」に基づく腰痛予防対策に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 腰部保護ベルトは、全員に使用させるようにする。
  2. 重量物取扱い作業の場合、満18歳以上の男子労働者が人力のみで取り扱う物の重量は、体重のおおむね50%以下となるようにする。
  3. 重量物取扱い作業に常時従事する労働者に対しては、当該作業に配置する際及びその後1年以内ごとに1回、定期に、医師による腰痛の健康診断を行う。
  4. 立ち作業の場合は、身体を安定に保持するため、床面は弾力性のない硬い素材とし、クッション性のない作業靴を使用する。
  5. 腰掛け作業の場合の作業姿勢は、椅子に深く腰を掛けて、背もたれで体幹を支え、履物の足裏全体が床に接する姿勢を基本とする。

問 31 虚血性心疾患に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 虚血性心疾患は、門脈による心筋への血液の供給が不足したり途絶えることにより起こる心筋障害である。
  2. 虚血性心疾患発症の危険因子には、高血圧、喫煙、脂質異常症などがある。
  3. 虚血性心疾患は、心筋の一部分に可逆的虚血が起こる狭心症と、不可逆的な心筋壊死が起こる心筋梗塞とに大別される。
  4. 心筋梗塞では、突然激しい胸痛が起こり、「締め付けられるように痛い」、「胸が苦しい」などの症状が長時間続き、1時間以上になることもある。
  5. 狭心症の痛みの場所は、心筋梗塞とほぼ同じであるが、その発作が続く時間は、通常数分程度で、長くても15分以内におさまることが多い。

問 32 一次救命処置に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 呼吸を確認して普段どおりの息(正常な呼吸)がない場合や約1分間観察しても判断できない場合は、心肺停止とみなし、心肺蘇生を開始する。
  2. 心肺蘇生は、胸骨圧迫のみではなく、必ず胸骨圧迫と人工呼吸を組み合わせて行う。
  3. 胸骨圧迫は、胸が約5cm沈む強さで胸骨の下半分を圧迫し、1分間に少なくとも60回のテンポで行う。
  4. 気道が確保されていない状態で人工呼吸を行うと、吹き込んだ息が胃に流入し、胃が膨張して内容物が口の方に逆流し気道閉塞を招くことがある。
  5. 口対口人工呼吸は、傷病者の鼻をつまみ、1回の吹き込みに3秒以上かけて行う。

問 33 食中毒に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. サルモネラ菌による食中毒は、食品に付着した菌が食品中で増殖した際に生じる毒素により発症する。
  2. ボツリヌス菌による毒素は、神経毒である。
  3. 黄色ブドウ球菌による毒素は、熱に強い。
  4. 腸炎ビブリオ菌は、病原性好塩菌ともいわれる。
  5. ウェルシュ菌、セレウス菌及びカンピロバクターは、いずれも細菌性食中毒の原因菌である。

問 34 出血及び止血法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 体内の全血液量は、体重の13分の1程度で、その約3分の1を短時間に失うと生命が危険な状態となる。
  2. 動脈性出血は、鮮紅色を呈する拍動性の出血で、出血量が多いため、早急に、細いゴムひもなどを止血帯として用いて止血する。
  3. 静脈性出血は、傷口からゆっくり持続的に湧き出るような出血で、通常、直接圧迫法で止血する。
  4. 内出血は、胸腔、腹腔などの体腔内や皮下などの軟部組織への出血で、血液が体外に流出しないものである。
  5. 間接圧迫法は、出血部位より心臓に近い部位の動脈を圧迫する方法で、それぞれの部位の止血点を指で骨に向けて強く圧迫するのがコツである。
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