衛生管理者は、どんな資格?

衛生管理者とは?

衛生管理者とは、労働者の健康障害や労働災害を防止するために、労働安全衛生法で定められた国家資格を持っている人のこと。常時50人以上の労働者を雇用する事業者は、その事業場専属における衛生管理者を選任する必要があります。

主な職務は、労働者の健康障害を防止するための作業環境管理、作業管理及び健康管理、労働衛生教育の実施、健康の保持増進措置などです。

衛生工学衛生管理者・第一種衛生管理者・第二種衛生管理者の3種類があり、このうち第一種衛生管理者、第二種衛生管理者免許を取得するには、厚生労働大臣が指定する試験機関が実施する試験の合格がなくてはなりません。

実施機関 安全衛生技術試験協会
資格区分 国家資格(労働安全衛生法)
試験日程 地域センター試験カレンダーによる
公式サイト https://www.exam.or.jp/index.htm

衛生管理者になるには?

衛生管理者になるには、第一種衛生管理者試験または第二種衛生管理者試験に合格する必要があります。

第一種衛生管理者免許を有する者は、すべての業種の事業場において衛生管理者となることができます。

第二種衛生管理者免許を有する者は、有害業務と関連の少ない情報通信業、金融・保険業、卸売・小売業など一定の業種の事業場においてのみ、衛生管理者となることができます。

衛生管理者 受験資格

試験を受けるには、受験資格が必要です。16種類の受験資格がありますが、主なものは以下の3種類になります。

  • 最終学歴が大学・短期大学・高等専門学校卒業で、かつ労働衛生の実務経験が1年以上ある人
  • 最終学歴が高等学校または中学校卒業で、かつ3年以上の労働衛生の実務経験がある人
  • 10年以上労働衛生の実務経験がある人

衛生管理者の試験内容は?

第一種衛生管理者

  • 関係法令 有害業務に係るもの 10問
  • 関係法令 有害業務に係るもの以外のもの 7問
  • 労働衛生 有害業務に係るもの 10問
  • 労働衛生 有害業務に係るもの以外のもの 7問
  • 労働生理 10問

合計44問となります。

試験時間は、3時間です。

第二種衛生管理者

  • 労働衛生 有害業務に係るものを除く 10問
  • 関係法令 有害業務に係るものを除く 10問
  • 労働生理 10問

合計30問となります。

試験時間は、3時間です。

科目免除

科目免除者は、労働生理が免除になります。
要件は一般的でなく、下記が必要です。

船員法による衛生管理者適任証書の交付を受けた者で、その後1年以上労働衛生の実務に従事した経験を有するもの

また、第二種衛生管理者合格後に第一種衛生管理者試験を受ける場合、特例第一種衛生管理者免許試験として、労働衛生(有害業務に係るものに限る。)と関係法令(有害業務に係るものに限る。)の各10問、計20問の試験を受けられます。

衛生管理者の合格率

第一種衛生管理者の合格率

実施年度 受験者数 合格者人数 合格率
令和2(2020)年度 43,157名 18,916名 43.8%
令和元(2019)年度 68,498名 32,026名 46.8%
平成30(2018)年度 67,080名 29,631名 44.2%
平成29(2017)年度 65,821名 29,636名 45.0%
平成28(2016)年度 61,500名 28,003名 45.5%
平成27(2015)年度 55,129名 30,587名 55.5%

第二種衛生管理者の合格率

実施年度 受験者数 合格者人数 合格率
令和2(2020)年度 22,220名 11,729名 52.8%
令和元(2019)年度 33,559名 18,511名 55.2%
平成30(2018)年度 32,985名 17,271名 52.4%
平成29(2017)年度 31,537名 17,302名 54.9%
平成28(2016)年度 29,186名 16,189名 55.5%
平成27(2015)年度 25,716名 16,983名 66.0%

平成27(2015)年までの合格率は、第一種衛生管理者が55%程度、第二種衛生管理者が65%程度ありましたが、平成28(2016)年度以降は両方とも10%ほど下がっています。

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