平成30年前期、1月~6月に開催した第一種衛生管理者免許試験、関係法令(有害業務に係るもの)の問題です。
平成30年前期-問1
常時800人の労働者を使用する製造業の事業場における衛生管理体制に関する1~5の記述のうち、法令上、誤っているものはどれか。
ただし、800人中には、製造工程において次の業務に常時従事する者が含まれているが、他に有害業務に従事している者はいないものとし、衛生管理者及び産業医の選任の特例はないものとする。
鉛、クロム及び一酸化炭素の粉じん又はガスを発散する場所における業務—–30人
深夜業を含む業務—–300人
- 衛生管理者は、3人以上選任しなければならない。
- 衛生管理者のうち1人については、この事業場に専属ではない労働衛生コンサルタントのうちから選任することができる。
- 衛生管理者のうち1人を、衛生工学衛生管理者免許を有する者のうちから選任しなければならない。
- 衛生管理者のうち少なくとも1人を、専任の衛生管理者として選任しなければならない。
- 産業医は、この事業場に専属の者を選任しなければならない。
平成30年前期-問2 次の装置のうち、法令に基づく定期自主検査を行わなければならないものはどれか。
- 木材加工用丸のこ盤を使用する作業場所に設けた局所排気装置
- アーク溶接を行う屋内作業場に設けた全体換気装置
- エタノールを使用する作業場所に設けた局所排気装置
- アンモニアを使用する作業場所に設けたプッシュプル型換気装置
- 屋内の、フライアッシュを袋詰めする箇所に設けたプッシュプル型換気装置
平成30年前期-問3 有害業務とそれに従事する労働者に対して特別の項目について行う健康診断の項目の一部との組合せとして、法令上、正しいものは次のうちどれか。
- 高圧室内業務—–尿中のウロビリノーゲンの検査
- 有機溶剤業務—–赤血球中のプロトポルフィリンの量の検査
- 放射線業務—–尿中の潜血の有無の検査
- 潜水業務—–血液中の尿酸の量の検査
- 鉛業務—–尿中のデルタアミノレブリン酸の量の検査
平成30年前期-問4 次の業務に労働者を就かせるとき、法令に基づく安全又は衛生のための特別の教育を行わなければならないものに該当しないものはどれか。
- ガンマ線照射装置を用いて行う透過写真の撮影の業務
- チェーンソーを用いて行う造材の業務
- 第二種有機溶剤等を取り扱う業務
- 高圧室内作業に係る業務
- 石綿等が使用されている建築物の解体等の作業に係る業務
平成30年前期-問5 次の文中の[ ]内に入れるA及びBの語句の組合せとして、正しいものは1~5のうちどれか。
「特定化学物質障害予防規則には、特定化学物質の用後処理として、除じん、排ガス処理、[ A ]、残さい物処理及びぼろ等の処理の規定がある。その中の[ A ]については、シアン化ナトリウムの場合には、[ B ]方式若しくは活性汚泥方式による[ A ]装置又はこれらと同等以上の性能を有する[ A ]装置を設けなければならないと規定されている。」
- A=浄化処理 B=中和
- A=浄化処理 B=吸収
- A=浄化処理 B=凝集沈殿
- A=排液処理 B=吸着
- A=排液処理 B=酸化・還元
平成30年前期-問6 粉じん障害防止規則に基づく措置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
ただし、同規則に定める適用除外及び特例はないものとする。
- 常時特定粉じん作業を行う屋内作業場については、6か月以内ごとに1回、定期に、空気中の粉じんの濃度の測定を行い、測定結果等を記録して、これを7年間保存しなければならない。
- 特定粉じん作業を行う屋内作業場については、当該粉じん作業に係る粉じんを減少させるため、全体換気装置による換気を実施しなければならない。
- 粉じん作業を行う屋内の作業場所については、毎日1回以上、清掃を行わなければならない。
- 法令に基づき局所排気装置に設ける除じん装置は、ヒュームとヒューム以外の粉じんに応じて、除じん方式が定められている。
- 除じん装置を付設すべき局所排気装置の排風機は、原則として、除じんをした後の空気が通る位置に設けなければならない。
平成30年前期-問7
地下室の内部の作業場において、常時、有機溶剤業務を行う場合の措置について、有機溶剤中毒予防規則に違反しているものは次のうちどれか。
ただし、同規則に定める適用除外及び設備の特例はないものとする。
- 第一種有機溶剤等を用いて洗浄作業を行う場所に、局所排気装置を設け有効に稼働させているが、作業者に送気マスクも有機ガス用防毒マスクも使用させていない。
- 第二種有機溶剤等を用いて払しょく作業を行う場所に、プッシュプル型換気装置を設けブース内の気流の乱れもなく有効に稼働させているが、作業者に送気マスクも有機ガス用防毒マスクも使用させていない。
- 第三種有機溶剤等を用いて吹付けによる塗装作業を行う場所に、全体換気装置を設け有効に稼働させているが、作業者に送気マスクも有機ガス用防毒マスクも使用させていない。
- 作業場所に設置した局所排気装置で空気清浄装置を設けていないものの排気口の高さを、屋根から2mとしている。
- 第二種有機溶剤等を用いて、つや出し作業を行う場所の見やすい箇所に、有機溶剤等の区分を黄による色分けと色分け以外の方法を併用して表示している。
平成30年前期-問8 次の作業のうち、法令上、第二種酸素欠乏危険作業に該当するものはどれか。
- 汚水その他腐敗しやすい物質を入れたことのある暗きょの内部における作業
- 相当期間密閉されていた鋼製のタンクの内部における作業
- 果菜の熟成のために使用している倉庫の内部における作業
- 第一鉄塩類を含有している地層に接するたて坑の内部における作業
- ドライアイスを使用して冷蔵を行っている保冷貨物自動車の内部における作業
平成30年前期-問9 有害業務を行う作業場等について、法令に基づき、定期に行う作業環境測定と測定頻度との組合せとして、誤っているものは次のうちどれか。
- 非密封の放射性物質を取り扱う作業室における空気中の放射性物質の濃度の測定—–1か月以内ごとに1回
- チッパーによりチップする業務を行う屋内作業場における等価騒音レベルの測定—–1年以内ごとに1回
- 通気設備が設けられている坑内の作業場における通気量の測定—–半月以内ごとに1回
- 鉛蓄電池の解体工程において鉛等を切断する業務を行う屋内作業場における空気中の鉛の濃度の測定—–1年以内ごとに1回
- 多量のドライアイスを取り扱う業務を行う屋内作業場における気温及び湿度の測定—–半月以内ごとに1回
平成30年前期-問10 労働基準法に基づく有害業務への就業制限に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 妊娠中の女性は、異常気圧下における業務に就かせてはならない。
- 満18歳以上で産後8週間を経過したが1年を経過しない女性から、著しく寒冷な場所における業務に従事しない旨の申出があった場合には、当該業務に就かせてはならない。
- 満18歳以上で産後8週間を経過したが1年を経過しない女性から、さく岩機、鋲打機等身体に著しい振動を与える機械器具を用いる業務に従事したい旨の申出があった場合でも、当該業務に就かせてはならない。
- 満18歳以上で産後1年を経過した女性から、20kgの重量物を継続作業で取り扱う業務に従事したい旨の申出があった場合には、当該業務に就かせることができる。
- 満18歳未満の者は、土石、獣毛等のじんあい又は粉末を著しく飛散する場所における業務に就かせてはならない。