平成28年前期、1月~6月に開催した第一種衛生管理者免許試験、関係法令(有害業務に係るもの)の問題です。
平成28年前期-問1
常時1,800人の労働者を使用する製造業の事業場の有害業務及び衛生管理者の選任の状況は、次の①及び②のとおりである。
この事業場の衛生管理者の選任についての法令違反の状況に関するAからDの記述について、正しいものの組合せは1~5のうちどれか。
ただし、衛生管理者の選任の特例はないものとする。
①有害業務の状況
製造工程において多量の高温物体を取り扱う業務に常時20人の労働者が従事しているが、他に有害業務はない。
②衛生管理者の選任の状況
選任している衛生管理者数は3人である。
このうち1人は、この事業場に専属でない労働衛生コンサルタントで、衛生工学衛生管理者免許を有していない。
他の2人は、この事業場に専属で、衛生管理者としての業務以外の業務を兼任しており、また、第一種衛生管理者免許を有しているが、衛生工学衛生管理者免許を有していない。
- 選任している衛生管理者数が少ないことが違反である。
- 衛生管理者として選任している労働衛生コンサルタントがこの事業場に専属でないことが違反である。
- 専任の衛生管理者が1人もいないことが違反である。
- 衛生工学衛生管理者免許を有する者のうちから選任した衛生管理者が1人もいないことが違反である。
- A、C
- A、D
- B、C
- B、D
- C、D
平成28年前期-問2
次の業務に労働者を就かせるとき、法令に基づく安全又は衛生のための特別の教育を行わなければならないものはどれか。
- 特定化学物質を用いて行う分析の業務
- 赤外線又は紫外線にさらされる業務
- 有機溶剤等を入れたことがあるタンクの内部における業務
- 石綿等が使用されている建築物の解体の作業に係る業務
- ボンべからの給気を受けて行う潜水業務
平成28年前期-問3
厚生労働大臣が定める規格を具備しなければ、譲渡し、貸与し、又は設置してはならない機械等に該当するものは、次のうちどれか。
- 防音保護具
- 防振手袋
- 遮光保護具
- 硫化水素用防毒マスク
- 電動ファン付き呼吸用保護具
平成28年前期-問4
次の特定化学物質を製造しようとするとき、労働安全衛生法に基づく厚生労働大臣の許可を必要としないものはどれか。
- ベンゾトリクロリド
- ベリリウム
- オルト-フタロジニトリル
- ジアニシジン
- アルファ-ナフチルアミン
平成28年前期-問5
特定の有害業務に従事した者については、離職の際に又は離職の後に、法令に基づく健康管理手帳が交付されるが、次の者のうち、交付対象とならないものはどれか。
- 水銀を取り扱う業務に5年以上従事した者
- 塩化ビニルを重合する業務に4年以上従事した者
- ベータ-ナフチルアミンを取り扱う業務に3か月以上従事した者
- ジアニシジンを取り扱う業務に3か月以上従事した者
- 石綿等が吹き付けられた建築物の解体の作業に1年以上従事した者で、初めて石綿等の粉じんにばく露した日から10年以上経過しているもの
平成28年前期-問6
屋内作業場において、第二種有機溶剤等を使用して常時洗浄作業を行う場合の措置として、有機溶剤中毒予防規則上、正しいものは次のうちどれか。
ただし、同規則に定める適用除外及び設備の特例はないものとする。
- 作業場所に設ける局所排気装置について、外付け式フードの場合は最大で0.4m/sの制御風速を出し得る能力を有するものにする。
- 作業中の労働者が有機溶剤等の区分を容易に知ることができるよう、容器に青色の表示をする。
- 作業場における空気中の有機溶剤の濃度を、1年以内ごとに1回、定期に、測定する。
- 作業場所に設けたプッシュプル型換気装置について、1年を超える期間使用しない場合を除き、1年以内ごとに1回、定期に、自主検査を行う。
- 作業に常時従事する労働者に対し、1年以内ごとに1回、定期に、有機溶剤等健康診断を行う。
平成28年前期-問7
粉じん障害防止規則に基づく措置に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
ただし、同規則に定める適用除外及び特例はないものとする。
- 屋内の特定粉じん発生源については、その区分に応じて密閉する設備、局所排気装置、プッシュプル型換気装置若しくは湿潤な状態に保つための設備の設置又はこれらと同等以上の措置を講じなければならない。
- 常時特定粉じん作業を行う屋内作業場については、6か月以内ごとに1回、定期に、空気中の粉じんの濃度の測定を行い、測定結果等を記録して、これを7年間保存しなければならない。
- 特定粉じん発生源の局所排気装置に、法令に基づき設ける除じん装置は、ヒュームとヒューム以外の粉じんとに応じて、除じん方式が定められている。
- 特定粉じん作業以外の粉じん作業を行う屋内作業場については、全体換気装置による換気の実施又はこれと同等以上の措置を講じなければならない。
- 粉じん作業を行う屋内の作業場所については、特定粉じん作業の場合は毎日1回以上、特定粉じん作業以外の粉じん作業の場合は毎週1回以上、清掃を行わなければならない。
平成28年前期-問8
管理区域内において放射線業務に従事する労働者の被ばく限度に関する次の文中の[ ]内に入れるAからDの語句又は数値の組合せとして、法令上、正しいものは1~5のうちどれか。
「男性又は妊娠する可能性がないと診断された女性が受ける実効線量の限度は、緊急作業に従事する場合を除き、[ A ]間につき[ B ]、かつ、[ C ]間につき[ D ]である。」
- A=1年 B=50mSv C=1か月 D=5mSv
- A=3年 B=100mSv C=3か月 D=10mSv
- A=3年 B=100mSv C=1年 D=50mSv
- A=5年 B=100mSv C=1年 D=50mSv
- A=5年 B=200mSv C=1年 D=100mSv
平成28年前期-問9
次の文中の[ ]内に入れるA及びBの語句の組合せとして、正しいものは1~5のうちどれか。
「特定化学物質障害予防規則には、特定化学物質の用後処理として、除じん、排ガス処理、[ A ]、残さい物処理及びぼろ等の処理の規定がある。その中の[ A ]については、シアン化ナトリウムの場合には、[ B ]方式若しくは活性汚泥方式による[ A ]装置又はこれらと同等以上の性能を有する[ A ]装置を設けなければならないと規定されている。」
- A=浄化処理 B=中和
- A=浄化処理 B=吸収
- A=浄化処理 B=凝集沈殿
- A=排液処理 B=吸着
- A=排液処理 B=酸化・還元
平成28年前期-問10
労働基準法に基づく時間外労働に関する協定を締結し、これを所轄労働基準監督署長に届け出る場合においても、労働時間の延長が1日2時間を超えてはならない業務は次のうちどれか。
- 給湿を行う紡績又は織布の業務
- 著しく寒冷な場所における業務
- 大部分の労働時間が立作業である業務
- 病原体によって汚染された物を取り扱う業務
- VDT作業における受注、予約等の拘束型の業務