ボイラー整備士免許試験:令和4年4月公表問題

ボイラー及び第一種圧力容器の整備の作業に関する知識

問1 ボイラーの機械的清浄作業及び化学洗浄作業における危害防止の措置に関し、次のうち適切でないものはどれか。

  1. 他のボイラーの吹出し管や安全弁からの突然の吹出しによる危険がないか確認する。
  2. ボイラーの内部や煙道内に入る場合は、入る前に、必要に応じて換気装置を使用して換気し、換気が完全であることを確認する。
  3. 昇降に使用する仮設はしごの上部は、堅く縛って固定し、はしご上端は床から40㎝以上突き出す。
  4. 酸洗浄によって発生するガスを安全な場所へ放出するため、ガス放出管を設ける。
  5. 灰出し作業では、高所の熱灰をあらかじめ落としておくとともに、余熱が少なくなってから適宜注水を行う。
正答 3
昇降に使用する仮設はしごの上部は、堅く縛って固定し、はしご上端は床から60㎝以上突き出す

問2 ボイラーの性能検査における水圧試験に関するAからDまでの記述で、適切なもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。

  1. 水圧試験の準備では、水圧試験用の圧力計はボイラー本体に直接取り付けなければならないが、高所となる圧力計については、容易に確認できないため連絡管に取り付けることができる。
  2. 水圧試験の準備では、空気抜弁を開き、他の止め弁を完全に閉じてから水を張り、オーバーフローを認めてから空気抜弁を閉じる。
  3. 水圧試験の圧力は、最高使用圧力の値とする。
  4. 水圧試験は、水圧を徐々に上げ、設定圧力のところで30分以上保持して圧力の降下や漏れの有無を調べる。
  1. A,B,D
  2. A,C
  3. B,C
  4. B,C,D
  5. C,D
正答 4
水圧試験用の圧力計はボイラー本体に直接取り付ける

問 3 ボイラーの機械的清浄作業終了後の組立て復旧作業及び仮設設備の撤収作業に関し、次のうち適切でないものはどれか。

  1. 蓋、フランジなどのガスケット当たり面の状態を目視により確かめる。
  2. ドラム内部装着物は、取付部のボルトやナットに薄く焼付防止剤などを塗布して組み立てる。
  3. 多数のボルトで固定するものは、軽く一通り締めた後、締付けが均一になるように対称の位置にあるボルトを順次締めていく。
  4. 配管の接続部分に食い違いが生じた場合は、その原因を確かめ、配管に無理を生じさせないよう接続する。
  5. 足場の解体は、高所から順に行い、足場材の移動は、他の機器、装置などを損傷しないように注意して行う。

正答 2

 

問4 ボイラーの燃焼室内部並びに煙管及び水管の高温ガス側の清浄作業に関し、次のうち適切でないものはどれか。

  1. 燃焼室内部の付着物の除去や灰の搬出作業は、ボイラーの外面の清浄作業である。
  2. 燃焼室内部の伝熱面に付着しているすすや未燃油は、一般にチューブクリーナを使用して除去する。
  3. 丸ボイラーの煙管の付着物は、ブラシを付けた突棒で除去するか、必要に応じて、チューブクリーナを使用して除去する。
  4. 接近することができない水管に付着しているすすや未燃油は、長い棒の先端に取り付けたワイヤブラシで除去するか、圧縮空気を吹き付けて除去する。
  5. スチームソーキングを行う場合は、余熱があるうちに、付着物に湿り蒸気を吹き付け湿分をしみ込ませてから、ワイヤブラシで除去するか、圧縮空気を吹き付けて除去する。
正答 2
水管以外の部分の清浄作業は、主に手工具を用いて手作業で行うが、必要に応じて電動クリーナなどの機械工具を使用する。

問5 ボイラーの化学洗浄作業における予備調査に関し、次のうち適切でないものはどれか。

  1. 管系統図及び実地調査により配管系統を確認し、薬液の注入用、排出用及び循環用の配管並びに薬液用ポンプの仮設位置を決定する。
  2. 止め弁などの洗浄液が触れる部分の材質や表面処理の有無を調べる。
  3. 洗浄作業は、一般に被洗浄物内容積の3倍程度の量の水を必要とするため、水の使用可能量を調査する。
  4. 試料としてのスケールは、ボイラー水の流れの悪い部分などから採取する。
  5. 試料として採取したスケールは、その一定量を洗浄液内に投入して溶解試験を行い、効果的な洗浄方法を検討する。

正答 3

 

問6 ボイラーの酸洗浄における腐食防止対策に関し、次の文中の[ ]内に入れるAからCまでの語句の組合せとして、最も適切なものは(1)~(5)のうちどれか。

「[ A ] の濃度及び[ B ] に著しい差が生じると、[ C ] を形成し、腐食の原因となることから、これらが常に均一に保たれるように[ A ] の注入方法、循環方法、流速などに注意する。」

  1. A.酸液 B.温度 C.濃淡電池
  2. A.酸液 B.温度 C.応力集中
  3. A.酸液 B.pH値 C.残留応力
  4. A.中和液 B.pH値 C.応力集中
  5. A.中和液 B.流量 C.濃淡電池
正答 1
酸液の濃度及び温度に著しい差が生じると、濃淡電池を形成し、腐食の原因となることから、これらが常に均一に保たれるように酸液の注入方法、循環方法、流速などに注意する。

問7 ボイラーの酸洗浄に関し、次のうち適切でないものはどれか。

  1. 洗浄液の流速が速くなると腐食が起こることがあるので、水管内の流速は3m/s以下とする。
  2. 30~60分ごとに洗浄液を採取し、酸濃度及び洗浄液中に溶出したFe2+やFe3+ の濃度を測定する。
  3. 洗浄は、洗浄液の酸濃度の低下傾向及び洗浄液中のFe2+やFe3+の濃度の上昇傾向がほぼなくなったら終了する。
  4. 洗浄後の水洗は、一般に、40℃以上の温水を使用し、水洗水のpHが3以上になるまで行う。
  5. 酸洗い後の金属面は発錆はっせいしやすい状態にあるので、必要に応じて不活性ガスを封入して酸液と置換する。
正答 4
洗浄後の水洗は、一般に、60℃以上の温水を使用し、水洗水のpHが5以上になるまで行う。

問8 ガラス水面計のコックの分解作業に関し、次のA~Dの作業の順序として、適切なものは(1)~(5)のうちどれか。

  1. スリーブパッキンを取り出す。
  2. ハンドル側に閉子を叩き出す。
  3. タイトニングナット及びカバーナットを外す。
  4. ハンドルを外す。
  1. A→B→C→D
  2. B→A→D→C
  3. C→D→A→B
  4. D→C→B→A
  5. D→B→C→A
正答 4
ガラス水面計のコックの分解作業手順
①ハンドルを外す
②タイトニングナット及びカバーナットを外す
③ハンドル側に閉子を叩き出す
④スリーブパッキンを取り出す

問9 ブルドン管圧力計の点検及び整備の要領に関するAからDまでの記述で、適切なもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。

  1. 圧力計を取り外すときは、圧力計を両手で持って静かに回して外す。
  2. 圧力計は、検査済みのものを予備品として用意しておき、故障したら取り替える。
  3. 圧力計やサイホン管を取り付けるときは、シールテープなどが内側に、はみ出さないようにする。
  4. サイホン管を取り付けるときは、内部に水を満たしてから取り付ける。
  1. A,B
  2. A,C
  3. A,C,D
  4. B,C,D
  5. C,D

正答 5

 

問10 水位検出器の点検及び整備の要領として、適切でないものは次のうちどれか。

  1. フロート式水位検出器は、フロートチャンバを開放して内部を清掃するとともに、フロート及びロッドに腐食や変形がないか点検する。
  2. フロート式水位検出器のヘッドガスケットは、新しいものに交換する。
  3. 電極式水位検出器の電極棒は、その絶縁状態をテスターにより点検する。
  4. 電極式水位検出器は、ボイラーに取り付けた後、 と 水位を上下させ水面計照合して作動を確認する。
  5. 電極式水位検出器は、チャンバ及び元弁又はコックを取り外した後、チャンバ、連絡配管及び排水管の内部を清掃する。
正答 3
電極式水位検出器の電極棒は、その絶縁状態を絶縁抵抗計により点検する。

ボイラー及び第一種圧力容器の整備の作業に使用する器材、薬品等に関する知識

問11 ボイラーの機械的清浄作業に使用する機械、器具及び工具に関し、次のうち誤っているものはどれか。

  1. チューブクリーナは、本体、フレキシブルシャフト及びヘッドにより構成されている。
  2. ハンマヘッドは、チューブクリーナ に取り付けて、胴内の硬質スケールを除去するときに使用する。
  3. ワイヤホイルは、チューブクリーナに取り付けて、 水管内面に付着した硬質スケールを除去するときに使用する。
  4. 穂ブラシは、 チューブクリーナに取り付けて、軟質スケールを除去したり、管内面を掃くように磨くときに使用する。
  5. スクレッパは、小形の清掃用手工具で、硬質スケールを除去するときは刃先の鋭いものを使用する。
正答 3
ワイヤホイルは、チューブクリーナに取り付けて、外部清掃や道内の軟泥などの清掃に使用する。

問12 ボイラーの整備の作業に使用する照明器具などに関するAからDまでの記述で、適切なもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。

  1. 燃焼室、煙道、ドラムなどの内部で使用する照明器具は、防爆構造で、 ガードを取り付けたものを使用する。
  2. 燃焼室、煙道、ドラムなどの内部で使用する照明器具のコンセント接続部には、絶縁用防具を取り付ける。
  3. 燃焼室、ドラムなどの内部で使用する照明用電源は24ボルトを使用し、 移動電線にはキャブタイヤケーブルなどを使用する。
  4. 作業場所の照明は、作業面を局部的に明るくすることにより全体の明暗の差を大きくする。
  1. A,B,C
  2. A,C
  3. A,C,D
  4. B,D
  5. C,D
正答 2
B.燃焼室、煙道、ドラムなどの内部で使用する照明器具のコンセント接続部には、漏電遮断器を取り付ける
D.作業場所の照明は、全般的に明暗の差が著しくなく、通常状態でまぶしくないようにする。

問13 ガスケット及びパッキンに関し、次のうち誤っているものはどれか。

  1. パッキンはポンプのような運動部分の密封に用いられ、ガスケットはフランジのような静止部分の密封に用いられる。
  2. オイルシートは、合成ゴムを成形したパッキンで、100℃以下の油に用いられる。
  3. ゴムガスケットは、ゴムのみ又はゴムの中心に木綿布が挿入されたもので、常温の水に用いられる。
  4. 金属ガスケットは、高温高圧の蒸気やガスに用いられる。
  5. ノンアスベストジョイントシートは、非石綿繊維とゴムバインダなどを混合し、圧延加硫したものである。
正答 2
オイルシートは、紙、ゼラチン、グリセリンなどを加工したもので、100℃以下の油に用いられる

問14 ボイラーの炉壁材及び保温材に関し、次のうち誤っているものはどれか。

  1. 粘土質耐火れんがは、高アルミナ質耐火れんがより耐火度及び高温での耐荷重性が高い。
  2. 耐火断熱れんがは、断熱性は高いが強度が低く、耐火れんがとケーシングとの間の断熱材として用いられる。
  3. 普通れんがは、耐荷重性は高いが耐火度が低く、一般に、400℃以上の温度には使用できないので、外だきボイラーの築炉の外装などに用いられる。
  4. 保温材は、内部の気泡や気層の状態と量によって保温力が定まるが、一般に熱伝導率が小さいほど保温力が大きい。
  5. 発泡プラスチック保温材では、フェノールフォームの方がポリスチレンフォームより使用温度が高い。
正答 1
高アルミナ質耐火れんがの方が、粘土質耐火れんがより耐火度及び高温での耐荷重性が高い。

問15 ボイラーの化学洗浄用機器に関し、次のうち誤っているものはどれか。

  1. 薬液用タンクは、洗浄に必要な薬液の調合又は貯蔵のために用いられるもので、洗浄を行うボイラー1基分の水容量以上の容量が望ましい。
  2. 薬液循環用タンクは、洗浄中に循環する薬液を受け、剝離したスケール、固形分などを分離するために用いられるもので、洗浄を行うボイラーの水容量の1/10以上の容量が望ましい。
  3. 薬液用ポンプは、薬液の供給及び循環のために用いられるもので、30~60分以内に、洗浄を行うボイラーを満水にできる程度の容量を標準とする。
  4. 主に発生するガスは、空気より重いため、ガス放出管はボイラー胴下部に設ける。
  5. 薬液用タンク及び薬液循環用タンクには、蒸気式又は電気式の薬液加熱装置を設けることが望ましい。
正答 4
ガス放出管は、主に酸洗浄の際に発生する水素が空気より軽いため、ボイラー胴上部の開口部に設ける

法令

問16 伝熱面積の算定方法に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 電気ボイラーの伝熱面積は、電力設備容量25kWを1m2 とみなして、その最大電力設備容量を換算した面積で算定する。
  2. 水管ボイラーの伝熱面積には、ドラム、エコノマイザ、過熱器及び空気予熱器の燃焼ガスにさらされる面の面積は算入しない。
  3. 立てボイラー(横管式)の横管の伝熱面積は、横管の外径側の面積で算定する。
  4. 貫流ボイラーは、燃焼室入口から過熱器入口までの水管の燃焼ガス等に触れる面の面積で伝熱面積を算定する。
  5. 水管ボイラーの耐火れんがでおおわれた水管の伝熱面積は、管の外側の壁面に対する投影面積で算定する。
正答 1
電気ボイラーの伝熱面積は、電力設備容量20kWを1m2とみなして、その最大電力設備容量を換算した面積で算定する。

問17 ボイラー(小型ボイラーを除く。)の次の部分又は設備を変更しようとするとき、法令上、所轄労働基準監督署長にボイラー変更届を提出する必要のないものは次のうちどれか。

ただし、計画届の免除認定を受けていない場合とする。

  1. 煙管
  2. 管板
  3. ステー
  4. 管寄せ
  5. 燃焼装置
正答 1
変更届が無用なものは、水管、煙管、水処理装置、給水装置、空気予熱器の5つです。
「水管」と「煙管」は、任意に長さを変えられるため、変更届が必要ありません。

問18 ボイラー(移動式ボイラー、屋外式ボイラー及び小型ボイラーを除く。)を設置するボイラー室等に関し、法令に定められているもののみを全て挙げた組合せは、次のうちどれか。

  1. 伝熱面積が2㎡を超えるボイラーは、ボイラー室に設置しなければならない。
  2. ボイラーを取り扱う労働者が緊急の場合に避難するのに支障がないボイラー室を除き、ボイラー室には、2以上の出入口を設けなければならない。
  3. ボイラーに附設された金属製の煙突又は煙道の外側から0.15m以内にある可燃性の物は、金属材料で被覆しなければならない。
  4. ボイラー室に液体燃料を貯蔵するときは、ボイラーと燃料タンクとの間に適当な障壁を設ける等、防火のための措置を講じたときを除き、燃料タンクをボイラーの外側から2m以上離しておかなければならない。
  1. A,B
  2. A,B,D
  3. A,C
  4. B,C,D
  5. B,D
正答 5
A.伝熱面積が5㎡の蒸気ボイラーは、ボイラー室に設置する。
C.ボイラーに附設された金属製の煙突又は煙道の外側から0.15m以内にある可燃性の物は、金属以外の不燃性の材料で被覆しなければならない

問19 鋳鉄製ボイラー(小型ボイラーを除く。)に関し、法令上、誤っているものは次のうちどれか。

  1. ガラス水面計でない他の水面測定装置として験水コックを設ける場合は、ガラス水面計のガラス管取付位置と同等の高さの範囲において2個以上取り付けなければならない。
  2. 温水ボイラーで圧力が0.3MPaを超えるものには、温水温度が120℃を超えないように温水温度自動制御装置を設けなければならない。
  3. 温水ボイラーには、ボイラーの本体又は温水の出口付近に水高計又は圧力計を取り付けなければならない。
  4. 給水が、水道その他圧力を有する水源から供給される場合には、この水源からの管を返り管に取り付けなければならない。
  5. 蒸気ボイラーに取り付ける圧力計の目盛盤の最大指度は、常用圧力の1.5倍以上3倍以下の圧力を示す指度としなければならない。
正答 5
蒸気ボイラーに取り付ける圧力計の目盛盤の最大指度は、最高使用圧力の1.5倍以上3倍以下の圧力を示す指度としなければならない。

問20 鋼製ボイラー(小型ボイラーを除く。)の安全弁に関し、法令に定められていないものは次のうちどれか。

  1. 貫流ボイラー以外の蒸気ボイラーの安全弁は、ボイラー本体の容易に検査できる位置に直接取り付け、かつ、弁軸を鉛直にしなければならない。
  2. 貫流ボイラーには、ボイラー本体と気水分離器の出口付近のそれぞれに安全弁を取り付け、安全弁の吹出し総量を最大蒸発量以上にしなければならない。
  3. 過熱器には、過熱器の出口付近に過熱器の温度を設計温度以下に保持することができる安全弁を備えなければならない。
  4. 蒸気ボイラーには、安全弁を2個以上備えなければならないが、伝熱面積が50㎡以下の蒸気ボイラーでは安全弁を1個とすることができる。
  5. 水の温度が120℃を超える温水ボイラーには、内部の圧力を最高使用圧力以下に保持することができる安全弁を備えなければならない。
正答 2
貫流ボイラーに備える安全弁については、当該ボイラーの最大蒸発量以上の吹出し量のものを過熱器の出口付近に取り付けることができる。

次の科目の免除者は、問21~問30は解答しないでください。

ボイラー及び第一種圧力容器に関する知識

問21 鋳鉄製ボイラーに関し、次のうち誤っているものはどれか。

  1. 鋼製ボイラーに比べ、強度は低いが、腐食には強い。
  2. 燃焼室の底面は、ほとんどがウェットボトム式の構造となっている。
  3. 蒸気暖房返り管の取付けには、ハートフォード式連結法が用いられる。
  4. 側二重柱構造のセクションでは、燃焼室側がボイラー水の下降管、外側が
    上昇管の役割を果たす。
  5. 蒸気ボイラーの場合は、その使用圧力は0.1MPa以下に限られる。

問22 ボイラー用材料に関し、次のうち正しいものはどれか。

  1. 炭素鋼には、鉄や炭素のほかに、脱酸剤としてケイ素やリンが、不純物としてマンガンや硫黄が含まれている。
  2. 炭素鋼は、軟鋼、中鋼及び硬鋼に大別され、ボイラー用材料としてはその中間の中鋼が使用される。
  3. 鋳鉄は、展延性に富み、融点が低く流動性が良いので鋳造によって複雑な形状の鋳物を製造できる。
  4. 鋼管は、インゴットから高温加工又は常温加工により継ぎ目無しで製造したり、帯鋼を巻いて電気抵抗溶接により製造する。
  5. 鋳鋼品は、通常、電気炉で融解し、脱酸した溶鋼を鋳型に注入して成形した後、鍛造や圧延によって所要の形状や寸法に仕上げる。

問23 ボイラーの溶接工作に関し、次のうち誤っているものはどれか。

  1. 炭酸ガスアーク溶接は、ユニオンメルト溶接とも呼ばれる自動溶接で、溶接速度が速く、十分な溶込みが得られる。
  2. 突合せ両側溶接は、一層目の溶込み不良部分を除去することができるので、良い溶込みを得ることができる。
  3. 自動溶接は、開先精度が低いとビード全体に欠陥が生じるおそれがある。
  4. 溶接後熱処理は、炉内加熱又は局部加熱によって行い、溶接部の残留応力を緩和するとともに、溶接部の性質を向上させる。
  5. 溶接部に生じる欠陥のうち、通常、表面に開口していない融合不良は、放射線透過試験又は超音波探傷試験によって探知する。

問24 ボイラーの安全弁、逃がし弁及び逃がし管に関し、次のうち誤っているものはどれか。

  1. 安全弁及び逃がし弁は、内部の圧力が設定圧力に達すると、自動的に弁体が開いて内部の流体を逃がし、圧力の上昇を防ぐものである。
  2. 安全弁及び逃がし弁の弁体が開いたときの弁体の軸方向の移動量をリフトという。
  3. 逃がし弁は蒸気、空気などの気体に用いられ、構造は安全弁とほとんど変わらない。
  4. 全量式安全弁は、同一呼び径の揚程式安全弁に比べて吹出し容量が大きい。
  5. 逃がし管は、温水ボイラーの安全装置で、ボイラー水の膨張による圧力上昇を防ぐために設けられる。

問25 ボイラーの指示器具類に関し、次のうち誤っているものはどれか。

  1. ブルドン管圧力計では、断面が扁平なブルドン管に圧力が加わり管の円弧が広がると、歯付扇形片が動いて小歯車が回転し、指針が圧力を示す。
  2. ブルドン管圧力計のコックは、ハンドルが管軸と同一方向になった場合に開くように取り付ける。
  3. ガラス水面計は、可視範囲の最下部がボイラーの安全低水面より上方になるように取り付ける。
  4. 丸形ガラス水面計は、主として最高使用圧力1MPa以下の丸ボイラーなどに用いられる。
  5. 差圧式流量計は、流体が流れている管の中に絞りを挿入すると、入口と出口との間に流量の二乗に比例する圧力差が生じることを利用している。

問26 ボイラーの附属設備に関し、次のうち誤っているものはどれか。

  1. 再生式空気予熱器は、金属製の管の中にアンモニアなどの熱媒体を減圧して封入したもので、高温側で熱媒体を蒸発させ、低温側で熱媒体蒸気を凝縮させて伝熱を行う。
  2. プレート形の伝導式(熱交換式)空気予熱器は、鋼板を一定間隔に並べて端部を溶接し、1枚おきに空気及び燃焼ガスの通路を形成したものである。
  3. エコノマイザは、排ガスの余熱を回収して給水の予熱に利用する装置である。
  4. 空気予熱器の設置による通風抵抗の増加は、エコノマイザの設置による通風抵抗の増加より大きい。
  5. 硫黄を含む燃料の場合、空気予熱器の燃焼ガス側には、低温腐食が発生しやすい。

問27 ボイラーの圧力制御用機器、温度制御用機器及び水位制御用機器に関し、次のうち誤っているものはどれか。

  1. 比例式蒸気圧力調節器は、コントロールモータとの組合せにより、比例動作によって蒸気圧力を調節する。
  2. オンオフ式蒸気圧力調節器は、調整ねじによって、動作圧力と動作すき間を設定する。
  3. オンオフ式蒸気圧力調節器は、蒸気圧力の変化によってベローズとばねが伸縮し、レバーが動いてマイクロスイッチなどを開閉する。
  4. 揮発性液体などを用いるオンオフ式温度調節器は、通常、調節器本体、感温体及びこれらを連結する導管で構成されるが、導管がないものもある。
  5. 電極式水位検出器は、蒸気の凝縮によって検出筒内部の水の純度が低くなると、正常に作動しなくなる。

問28 ボイラーの水処理装置及び清缶剤に関し、次のうち誤っているものはどれか。

  1. 軟化剤は、ボイラー水中の硬度成分を不溶性の化合物(スラッジ)に変えるための清缶剤である。
  2. 軟化器は、残留硬度の許容限度である貫流点に達したら通水をやめ、通常、塩酸で樹脂再生を行う。
  3. 樹脂再生を行っても徐々に強酸性陽イオン交換樹脂が劣化するので、1年に1回程度、鉄分などによる汚染を調査し、樹脂の洗浄及び補充を行う。
  4. 清缶剤の機能には、ボイラー本体へのスケールの付着の防止、ボイラー水のpHの調節などがある。
  5. 低圧ボイラーで使用される清缶剤には、リン酸ナトリウムなどがある。

問29 ボイラーの燃焼装置に関し、次のうち誤っているものはどれか。

  1. 圧力(油圧)噴霧式オイルバーナは、比較的高圧の燃料油を霧化媒体として微粒化し旋回室に送り、先端のノズルから噴射させ、燃焼させるバーナである。
  2. ロータリカップ形の回転(噴霧)式オイルバーナは、回転する霧化筒に流し込んだ燃料油を筒の先端で放射状に飛散させ、筒の外周から噴出する空気流によって微粒化するバーナで、取扱いが簡単である。
  3. 蒸気噴霧式オイルバーナは、比較的高圧の蒸気を霧化媒体として燃料油を微粒化するバーナで、霧化特性が良い。
  4. ガンタイプオイルバーナは、圧力(油圧)噴霧式オイルバーナに送風機、油ポンプ、点火装置、安全装置などを組み込んで取扱いを容易にしたバーナで、小容量のボイラーに多く用いられる。
  5. 微粉炭バーナは、微粉炭と一次空気との混合物を噴射するバーナで、噴射された混合物は、燃焼室の高温ふく射熱によって着火され、その周囲に供給される二次空気によって燃焼する。

問30 ボイラーの内面腐食の原因となる事項として、誤っているものは次のうちどれか。

  1. 化学洗浄の洗浄液の濃度に著しい差が生じている。
  2. 満水保存法で保存剤の濃度が低すぎる。
  3. 燃料油中に硫黄分が含まれている。
  4. 給水中に溶存酸素が含まれている。
  5. 溶接加工による残留応力が生じている。
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